近ごろ、熊による人や動物への被害が相次いでいます。
その中でも心配なのが「熊は犬を食べるのか?」という声です。
実際に、宮城県大崎市では熊が柴犬をくわえて森に逃げ込む事件が発生し、専門家は「食べる目的の可能性が高い」と指摘しています。
この記事では、熊が犬を襲う理由や過去の事例、そして犬を守るための対策についてご紹介します。
この記事でわかること
- 熊は犬を食べるのか(実際の事例と専門家の見解)
- 熊が犬を襲う理由
- 犬を熊から守るためにできること
熊は犬を食べるのか?実際の事例と専門家の見解

全国で熊の出没が増える中、「熊は犬を食べるのか?」という疑問が広がっています。
特に雑食性のヒグマは、犬を食料とみなすことがあると専門家は指摘しています。
2025年の宮城県・大崎市の事件
2025年10月、宮城県大崎市で熊が民家の庭先に現れ、飼われていた柴犬をくわえて森へ逃走する事件が発生しました。

警察と猟友会が現場を確認したところ、犬は戻らず、近くに食べられた形跡が残っていたといいます。
専門家は、
熊は雑食で、食糧が不足すると犬を襲う可能性がある
と述べ、食害の可能性が高いとしています。
過去の北海道・兵庫・岩手の被害例
北海道羅臼町では2018年から2021年にかけて、ヒグマが飼い犬を襲い、食害が確認されています。

羅臼町の調査によると、犬が繋がれた状態で襲われるケースが多く、「熊が犬を簡単な獲物と認識した」と分析されています(北海道新聞・2021年8月25日)。
また、兵庫県や岩手県でも外飼いの犬が襲われ、腹部に熊の歯形や食痕が残っていたという報道もあります。
兵庫県佐用町口金近で14日早朝、古い牛舎で飼われていた紀州犬が死んでいるのが見つかった。おなかのあたりに食いちぎられたような跡があった。牛舎の周辺にはクマの足跡があり、クマに襲われたとみられる。
出典:神戸新聞(2022.10.27)
近年は住宅街でも熊の出没が増え、犬が狙われるリスクは全国的に高まっています。
熊が犬を襲う理由|食害が多い背景

熊が犬を襲う理由の多くは「食べるため」と言われています。
ヒグマやツキノワグマは木の実や昆虫を食べる雑食動物ですが、冬眠を前に栄養を蓄える必要があるため、動物性のエサを求めることがあります。
食糧不足と冬眠前の行動変化
秋から冬にかけては食糧が少なくなり、熊が人里近くに現れることがあります。
この時期、犬の鳴き声や匂いが熊を引き寄せることもあるそうです。
環境省の資料でも「犬や家畜が熊に襲われる事例は、食害として扱われる」と明記されています。
詳しくは 環境省:クマ類の出没対応マニュアル(改定版) を参照してください。
犬が狙われやすい条件

外に繋がれて逃げられない犬は、熊にとって「簡単に捕まえられる獲物」となります。
また、吠え声が熊を刺激し、攻撃的な行動を誘発する場合もあります。
中には好奇心やじゃれ行動の延長で襲うケースもありますが、専門家は「基本的には食料目的と考えるのが自然」と話しています。
犬を守るためにできること|外飼いは危険

熊による犬の被害を防ぐためには、まず外飼いを避けることが大切です。
環境省や自治体も、「屋外に繋ぎっぱなしにしない」「夜間は屋内に入れる」よう呼びかけています。
犬を熊の被害から守るためには、次のような工夫が有効です。
・外飼いを避け、夜は室内で過ごさせる
・餌や生ゴミを屋外に置かない
・散歩時は必ず人が付き添う
ドッグフードや飼料も、においが漏れないよう保管に気を付けなければいけません。
また、環境省の 知床自然センター「ヒグマとの関わり方」 では、
犬を連れての外出は熊を刺激するリスクがあると注意喚起されています。
住宅地での遭遇リスクも高まっているため、飼い主が日常から警戒を強めることが重要ですね。
熊は本来、人や犬を積極的に襲う動物ではありません。
しかし、食糧難や環境変化の影響で、こうした被害は確実に増えています。
大切な家族である犬を守るために、日々の小さな行動から備えていきたいところです。
まとめ
熊が犬を食べる事例は、実際に国内各地で確認されています。
わかったことは以下のとおりです。
・熊が犬を食べるのは、主に食糧不足などによる食害目的
・宮城県や北海道などで、飼い犬が熊に襲われた事例が報告
・外飼いの犬は狙われやすく、屋内飼いが最も安全
・餌や生ゴミを外に出さないなど、日常の管理も重要
・環境省も、犬を連れた外出や夜間の屋外飼育に注意を呼びかけ
熊はおとなしい場合もありますが、状況によって犬を襲うことがあります。
熊と犬、どちらにとっても悲しい結果を防ぐために、飼い主ができる備えを続けたいですね。
【出典】北海道新聞(2021年8月25日)/環境省「クマ類の出没対応マニュアル(改定版)」「ヒグマとの関わり方」

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